(かなり長文です。読み疲れたり、つまらなかったら、離脱下さい)
➊いりたてコーヒーとの出逢い
大学を卒業後、某総合電機メーカーで長く働いてきました。
福岡、東京、神戸と移りながら、営業職や経営企画職と、少しの法務職。
会社では、ポチッと押して出てくるコーヒーに、スティックシュガー2本、フレッシュ2個と入れて飲んでいました。
毎日カフェラテを会社に持参。
「お前、体に悪いぞ」とは、先輩からの言葉。
確かに太っていきました。
ある時期、自分の中で「新しいことをやってみる」ブームが来ていました。
ある日、「そうだ、ドリップコーヒーを飲んでみよう」と思い立ち。
それまでほぼインスタントコーヒーしか飲んだことがなく、
「わざわざハンドドリップしてまで飲むコーヒーはどんなものだろう?」と。
ドリッパーとペーパーを買い、とある自家焙煎豆屋さんでコーヒー豆を購入。
その豆屋さんは注文を受けてから焙煎するオーダー焙煎の豆屋さんでした。
初めてなのでミルは持っておらず、粉に挽いてもらって。
さっそく、家で淹れました。
ドリップポットもサーバーも持っておらず、お湯を急須に入れてマグカップに直接ドリップして。
そして飲んでみると、
「え?」、 「ええっ?!」
それまでの40年以上の人生の中で味わったことのない味。
すっきり飲めるコーヒー。
ただ苦いだけじゃないコーヒー。
ミルクや砂糖を入れなくても旨味が広がるコーヒー。
自分の中にあったコーヒーの概念が「ガラガラガラ」と崩れていき。
それが、「いりたてコーヒーとの出逢い」でした。
➋コーヒーにのめり込む
とはいえ、いつまで続くか分からないコーヒーのマイブーム。
道具は買い揃えずに飲み続けました。
それから1年後。
沖縄への旅で、那覇で宿泊した宿の朝食の時にお姉さんが手回しミルで挽いて淹れてくれたコーヒーを飲み、「やっぱりミルを買おう」と決意。
旅から戻り、自転車でたまたま通りすがった自家焙煎豆屋さんに
「ミル販売」の文字。
手回しのミルを購入しました。
そしてそのお店もまたオーダー焙煎の豆屋さん。
これをきっかけにこちらのお店で豆を買うようになりました。
粉でなく、豆で。
それでもまだ自分の「マイブームの持続」を信じられず、相変わらず急須で淹れていました。
が、さらにその1年後、マイブームはまだまだ続きそうなので、ようやく急須の代わりにドリップポットを購入。
一通り道具が揃いました。
➌コーヒーを趣味からナリワイに
(セラミック焙煎との出逢い)
それらと並行して、この頃、会社を辞めようと決めました。
仕事をやっていて、自分がいったい何をやっているのかよく分からなくなり、「働くって何なん?」とか、「生きるって何なん?」とかについて色々と考えていて。
そんな折、高坂 勝(まさる)さんという方の「減速して自由に生きる ダウンシフターズ」という本に出逢って「この考え方、ええんちゃう?」と思い、その後紆余曲折を経て、至った結論でした。
仕事を辞めるにあたって、収入を得るためのナリワイを探していました。
その時に「コーヒーも何かナリワイにできないか?」といろいろ考えまして。
会社員時代も含めたこれまでの経験から、「教えること」は比較的得意なので、「コーヒーについて何か教えることはできないか?」と思い、コーヒー講座を考えてました。
(今やっている日本語ナリワイも、沖縄に旅に出たとき、西表島の宿で出会ったスウェーデン人に日本語を教えたことがきっかけでした。おせっかい癖が奏功しました。)
でも、豆を買ってきてからの淹れ方等だけでは、UC〇など大手が行なっている講座とそこまで変わり映えもせず、差別化が図れないなと思って行き詰まってまして。
そんな時たまたま、セラミック焙煎器で焙煎する講座のことを知りました。
「これなら『挽く、淹れる』だけではなく、『煎る』も含めた講座ができ、他と差別化できる講座ができるのではないか」と考え受講。
コーヒーの味の方も納得の味。
基礎講座、上級講座を修了して2020年にインストラクターの資格を取得。2021年4月から個人として「いりたてコーヒー講座」を開始(チョコづくり講座も同時に開始)。
現在に至ります。
いろんなご縁を経て、宮古島や西表島、東かがわ市などでも講座を開催させて頂きました。
➍講師を数年やって思っている所感
資格取得から約4年が経過し、ひとつの推測をしています。
資格を取得してから、勉強のためにいろんな自家焙煎の豆屋さんやカフェを回り、コーヒーを飲んできました。
そしてそれらのコーヒーと自分で焙煎したコーヒーとで、味の違いを感じてきました。
セラミックで焙煎すると、コーヒーはまろやかになり、スッキリゴクゴクとお茶のように飲め、かつ旨味もしっかり感じられる。
それは、お世辞にも敏感とはいえない私の舌でも感じられるくらい。
もちろん味の感じ方は人それぞれで、好みのコーヒーの味もまた人それぞれ。
なので、どれがおいしいか、というのは人によって違います。
が、少なくとも、このセラミック焙煎のコーヒーは、多くの自家焙煎豆屋さんのものとは
「少し毛色の違う味のコーヒー」
といえるのではないでしょうか。
そしてその「毛色の違い」はセラミックで焙煎することから来る、と推測しています。
自家焙煎豆屋さんの全体からすれば少数派の味であり、主流ではないと思われるかもしれません。
が、しかし、セラミック焙煎のコーヒーと同じ系統の味わい(と、私が感じる)の自家焙煎豆屋さんが、あそことあそこにあります。
そして、それらのお店はとても流行っています。
そしてもう一つ。
「あそことあそこのお店」というのは、冒頭に出てきた、「初めて煎りたての豆を買ったお店」と「ミルを買ったお店」です。
一番最初の2軒の豆屋さんがセラミック焙煎と同系統の味わいのコーヒーであること。
私にとってはそれがある意味、奇跡のようにも思えます。
なぜなら、
「それらのお店との出逢いがなければ、コーヒーのインストラクターになろうと思うことはなかった。」
事あるごとに、そのことが頭に浮かぶからです。
それほど、それらのお店との出逢いは私にとって貴重な、ある意味運命的とも思えるような出逢いでした。
❺コーヒーの本当のおいしさを知ってほしい
私は40年以上、コーヒーの本当のおいしさを知らずに生きてきました。
「こんなにおいしいコーヒーがあるなら、これまでに誰か一人ぐらい教えてくれたってええのに。」
残念ながら、誰も教えてくれることはありませんでした。
なぜなら、焙煎してから間もない豆で淹れるコーヒーを飲める機会は普通の生活をしていればなかなかなく、いりたてコーヒーを知っている人自体がほとんどいないので。
ましてや、セラミック焙煎ともなるとその希少さは天然記念物級です。
ハマるかどうかは別にして、可能なら私のように40年もかかることなく、人生の早いうちにおいしいコーヒーのことを知ってほしい。
コーヒー好きな人にはもちろん、「コーヒーはただただ苦いもの、酸っぱいもの」と思って敬遠している方にも。
以前の私のように。
人の好みは様々なので、コーヒーにあまり興味がなければ「ああ、コーヒーだね」で終わるかもしれませんが、「こんなコーヒーは知らなかった」と言ってくれる人もきっといるはず。
以前の私のように。
また、コーヒー好きな方でも、他のコーヒーが好きな方も、もちろんいらっしゃることでしょう。
それでも、多くの自家焙煎豆屋さんのものとは「少し毛色の違うコーヒーの味」を知っておくことは、経験としてプラスになることはあったとしても、マイナスになることはないはず。
というわけで、どのような方にも一度は体験してみて頂きたいと思う次第であります。
ピンと来ましたら、一度お試し下さい。